「先住民族アイヌを学ぶ」フィールドワーク2日目

9月12日(土)は7時半起床の健全な朝。空はキレイに晴れていた。おにぎり、ヨーグルトそしてとうきび茶という北海道的コンビニごはん。ホテルの朝食は苦手である。8時50分にはロビーに集合、ただちに地下鉄に向かっていく。

地下鉄の路線間違い(乗る前に気づいた)で右往左往。その先のバスにも遅れるが、それでも札幌大学での約束の時間にはなんとか滑り込み。お迎えいただいた本田優子先生にロビーにある貴重な工芸品も解説していただく。こちらは平取町の貝澤徹さんの作品である。

さらに教室に移動して「アイヌ民族の歴史と現状-そしてこれから」のお話をうかがっていく。歴史、世界観、生活など、どのお話も興味深いものだったが、2010年に学内に「ウレシパ(育ちあう)・プロジェクト」を発足させた当時の本田先生のバイタリティにいちばん驚かされる。人の多様性を認めあえる学生を育てるには、それを身体感覚として身につける訓練が必要。学内の多様性を高めることはマジョリティの教育、訓練の機会を高めることにもなるのだと。

12時すぎには本田先生とお別れして、各自自由に昼食を。教員3人組は時間がないからと、最初に目についたこちらのラーメン屋さんに突入する。が、これが見事にコッテリ、タップリの、おそらく体育会系学生御用達と思われる大盛りの店であった。太麺300グラムななんとか食べきっていく。

1時半すぎにはみんなでバスに乗り込んで、2時すぎには「真駒内」からじょうてつバスに乗り換え。行き先は定山渓温泉手前の「小金湯」である。地下鉄もバスもすべてICOCAでいけるのがありがたい。3時にはバスを降りて、サッポロピリカコタンに歩いていくが、途中の電信柱にはこんな注意書きが。「十分注意」と言われましても。

建物内外の展示をながめ、昨日・今日のノートのメモも読み返す。6時前には「そろそろはじめるから」と声をかけていただき、アシリチェプノミ(大切な食糧であるサケの遡上に感謝する儀式)の前夜祭となっていく。堅苦しいものではなく、おしゃべりもはさみながら儀式は進み、われわれもすぐ横の「かぶりつき」で見学(参加)させていただき。「写真とってくれる?」とスマホも渡される。

30分ほどで儀式は終了。あとはチセにあげていただいてざっくばらんにおしゃべりを。「オレはマルクス経済学をやった」という方もいれば、「人新世の本は面白かった」と別の方も。祭司はバリバリの現役ミュージシャンだった。さらにみんなで「ユクオハウ」(鹿肉と野菜の汁物)もいただく。学生諸君はしっかりおかわりを。

「明日の本番もうかがいます」と7時すぎにはコタンを出て、バスで「小金湯」から「真駒内」へ、ここから地下鉄で「大通」へ。

8時半にはホテルにもどる。こちらは地元コンビニ「セコマ」で筋子のばくだんおにぎりをゲットする。風呂でからだをあたためて(夜はすでにけっこう冷える)、ノンビリ時間をすごしていく。それでもメールで仕事が入ってくるので、あれをああして、これをこうして、帰ってからの仕事もちょいと考える。12時前には寝たのだろう。本日の万歩計は11583歩。明日の午前中は自由時間となっていく。