4月1日,7時集合のところを,こちらが20分ほど遅れてしまった。

 ケータイからヒロに「スマヌ,スマヌ」と連絡し,「その周辺にいるママを探してくれ」と頼んでおく。

 集合場所の八重洲北口にいくと,すでに2人は熱く何事かを語り合っていた。

 初対面だというが「同じゼミの卒業」というだけで,それなりの信頼感がある。

 見ていて嬉しいことである。

 ヒロが予約してくれたにぎやかな居酒屋に直行する。

 ヒロは最近の派遣社員生活,4月2日からはじまる新しい学校生活,あわせてこの1年ほどの人生を,右手のグラスを決して離さず語り続ける。

 他方,7対3で「聞き役」にまわったママも,結婚生活,ダンナ話,赤ちゃん話,仕事への復帰の希望などを,ヒロのスキをついて打ち込んでくる。

 2人とも立派な酒飲みであり,ビールから焼酎へ,日本酒へと,それぞれ勝手に自分のアルコール度数を高めていく。

 9時をすぎたあたりで,生後2ケ月の赤ん坊様(名前わすれた)から「泣き」のケータイが入り,ママは本物のママ業をはたしに帰る。

 ヒロとはさらに2軒目にまわり,ピータンとメンマで冷や酒を飲む。

 今後も,時にはこのような企みを実行してみたい。

 大人人生を送る卒業生と,こうして気楽につきあえるのは楽しいものである。

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