今日(5月7日)は,まったくもって顔色が変わった。

 パソコンを電車の中に置き忘れしまったのである。

 こんなことは,初めてである。

 JR「加島」から「京橋」へ。

 ホントに降りようと思っていたのは「大阪天満宮」で,この段階ですでに少しあわてていた。

 本を読んで,乗り過ごしてしまったのである。

 とはいえ,目的の「天王寺」へは,「谷町線」の予定を「環状線」にかえればいいだけ。

 そう思って「環状線」で「京橋」を出たところ,両手にあるのは本と傘だけである。

 オ~~~~ノ~~~~~~!

 パ~~ソ~~コ~~ン~~はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~?

 ねんのために調べたリュックにも入っていない。

 次の「大阪城公園」でドアをとびだし,改札口の駅員さんにただちに哀願していく。

 「お代官さま,お慈悲です」「何卒ただちに,ただちに」

 「10時51分加島発の東西線です」「5両目くらいの進行方向右側の座席です」「黒のノートパソコンです」。

 ありがたいことに,「京橋」の駅員Iさんは,落ち着いて対応してくれた。

 即座に,わが電車の各駅停車時間を調べ,次の停車駅に「5両目くらい」のチェックをお願いしてくれる。

 駅と駅が近すぎて,同じ電車の車掌さんがチェックするのは無理らしい。

 「長尾駅で駅員が調べますから」。

 「そうですか」「ありがとうございます」「よろしくお願いします」。

 待つあいだ,よほど青い顔をしていたのだろう。

 「あるといいですね」「もうすぐ連絡があるはずです」と,Iさんが笑顔で声をかけてくれる。

 まだ30前だろう若さである。

 電車到着の11時33分を数分すぎたところで,「長尾」からパソコン無事発見の報が入る。

 思わずからだの力が抜け,その場にひざまづき,胸の前に両手をあわせて天に祈る(ホントはしてないけど)。

 「ありがとうございました」「ありがとうございました」「本当に助かりました」「すぐにとりにいきます」。

 ヘコヘコ,ペコペコ,こんなにあたまを下げたのは久しぶりというくらいにお礼をくりかえしホームにもどる。

 Iさんは「お気をつけて」と声をかけてくれる。

 結局,JR「長尾」でわがパソコンに再開したのは,昼12時をすぎてのこととなった。

 よくぞ,わが手にもどってくれた。

 よしよし,よしよし。

 ああ,よかった。

 それにしても,こんなに大きく,こんなに大事なものを電車の中に忘れるとは。

 わが老化およびアホ化は,静かに,着実にすすんでいるようである。