○昼の会議の準備にあわてながら家を出て,11時30分から「基礎ゼミ-そんな風に読んでいるのか」。

 今日は本の読み方だった。

 「読まねばいけないけれど手のつかない本は,電車に乗って読み,区切りがつくまで降りないようにする」。

 「仕事が一段落したときに,自分へのご褒美として小池真理子様を楽しんで読む」。

 そういった私的秘法を,ひさしぶりに紹介する。

 あわせて「途上国での身売り」から,日本の人身売買や風俗産業,「飛田新地」の話まで。

 「飛田」周辺が通学路だったという学生がおり,そこではたらく女性との会話の経験も紹介される。

○「う~む,雲をつかむような」。

 クビをひねりながら昼の会議を終え,事務室で各種書類や本,郵便物を受け取り,研究室へ。

 オープンキャンパス京都自由大学の事務局から,先日の「少子化問題」の議論に参加された受講者の感想をいただく。

 書かれていることは,まったくもって千差万別。

 人それぞれということだろう。

 同じく,別便で,受講されていた立命館の院生の方から資料をいただく。

 法律を学ばれている方で,法律婚と事実婚での出生率の相違などを教えてくださる。

 こういうネットワークはありがたい。

 さっそく,サクサクとお礼状を書いていく。

○書類を片づけながら,『経済セミナー』6月号をペラペラめくる。

 「都留重人先生を偲んで」の追悼文がならんでいる。

 大学の人事や運営にあたって,マル経と近経の「バランスと交流」に重きをおいたこと。

 それがシュンペーターに学んだハーヴァードの学風であることなどに,ホウと関心。

 「いちばん大事なことはきみ,君が追求している成長なんかではないんだ。

 経済政策に限らず,政治でいちばん大事なことは,ひとの命を大事にすることだ」。

 当時,経済企画庁におられた宮崎勇氏が,公害問題をどうとらえるかの指南をうけに訪ねた際の都留氏の言葉である。

 高度成長末期のことのようだが,まったくもって至言という他ない。

 今日の経済政策担当者には,煎じて飲んでほしいくらいの言葉である。