6時をすぎたところで,相方と,粗大ゴミ置き場にいくつかの物をはこんでいく。

 学生時代から30年ほど使った物もある。

 学生時代に大学生協で買ったスチールラックなど典型である。

 考えてみれば,実に丈夫なものである。

 部屋で泣いていた,置き去りの新参者に「泣くな」の処置をほどこす。

 そして,ただちに3人で外に出る。

 ブラリブラリとスーパー「ドットコム」へ。

 新参者は,スリングという布にくるまれて行く。

 東南アジアにうまれ,ヨーロッパで加工された「工夫風呂敷」といったものである。

 この布は,赤子をクルリとくるんでしまう。

 そのため,毎回ガッカリする子どもがまわりにうまれる。

 「あっ,赤ちゃんだ」と,期待の顔で近づいてくるが,結局,何も見ることができない。

 「ありゃ~」という力の抜けた表情に,なんだか,こちらもスマナイ気分になる。

 スマナイ,スナマイ。

 もう少し大きくなったら,いっしょに遊んでな。

 しかし,大阪のオバチャンは,もちろんそんなヤワにはできていない。

 今日の魚売り場と肉売り場のさかい目のあたりでの出来事である。

 「なんやこれ,赤ん坊か」「どれ,どうなってるん」(寄ってきて風呂敷をひろげる)

 「ちっちゃいなあ」「何カ月や」「中,こんなんなってるんか」

 「知らんかった」「ガハハハハハ……」(買い物を継続)。

 店の入り口で,新参の顔が見れず残念そうにしていたあの女の子も,いずれはこんな立派なオバチャンになるのか。

 「人の成長および生涯」というのは不思議なものである。

 夜遅くなってから,「2006年8・9月の講演活動予定」をアップしてみる。

 とはいえ,9月は原則として「講演はしない月間」となっている。

 休養と研究のためというのが建て前である。