本棚据えつけ工事の後の細かい木屑掃除から1日が始まる。

 ただただ掃除機をふりまわすだけ。

 それでもガマの油のように汗が出る。

 ノコギリ作業はベランダであり,ここには木屑が山盛りたくさん散っている。

 本をどのようにならべていくか,腕組みをして,しばらくうなり,朝昼兼用食に逃げ込んでいく。

 冷蔵庫に賞味期限が今日で切れる「つけラーメン」を発見。

 さっそく,湯をわかして,これをツルツル食べていく。

 オンリー麺の食事であり,おそらく栄養的に問題がある。

 しかし,すでに育ち盛りを終えて25年。

 夜に野菜をとれば,合計でどうにかなってくれるだろう。

 午後は一路本移動の人生である。

 2時から国際問題の講演会に行こうと思っていたが,ここであっさり挫折する。

 声をかけていただいたY里さん,どうもスミマセン。

 また次の機会にうかがいます。

 あっちからこっちへ,こっちからあっちへ。

 本を動かしては掃除機をかけ,脚立にあがってはおりていく。

 時々,真っ黒な手を石鹸で洗って,かわいたノドに冷たいお茶を流してみる。

 「ああ,ようやく一段落」。

 そう思った時に,世間は6時半をまわっていた。

 どうやら今日も世間は足が早い。

 ポストには,わが人口論文が掲載された『経済』9月号が届いていた。

 読み返すと,ずいぶんゴツゴツした文章である。

 しかし,このテーマであれば,今の能力ではこんなもの。

 最初からホイホイなめらかに書くことはできない。

 さて,では冷蔵庫の野菜発掘作業にとりかかることにしよう。