①と同じです。

 石川の手元のメモを石川がまとめていったものです。

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(T仲さん)

 韓国へ来るときのフライト時間の短さに驚いた。

 日本と何もかわらない。

 身近な国という印象。

 「ナヌムの家」にいくまでは,半分観光気分もあった。

 日本が植民地にしていた国で,そんな気分でいていいのかとも思った。

 ハルモニにはきびしいことをいわれるのではないかと思っていた。

 しかし,日韓が兄弟のようにといってくれたのがうれしかった。

 日韓の若い世代が,手をとりあって関係をかえていかねばと思った。

 「水曜集会」に日本人の若い人がたくさん来ていたのにも驚いた。

 若い世代の力で変えていきたい。

 まず学内での報告会に向けてがんばりたい。

(W辺さん)

 近い国で,日本と何もかわらない。

 ハルモニはやさしかった。

 WAM(女たちの戦争と平和資料館)へ行った時とは,ちがう実感。

 被害者が生きて,話してくれている。

 とてもやさしい気持ちになれた。

 しかし,日本政府は謝罪をしない。

 あらためて憤りを感じた。

 「水曜集会」に韓国の中学生がたくさん来ていた。

 日韓の歴史教育の落差を感ずる。

 ハルモニが「あなたたちを愛している」といってくれたのがうれしかった。

 夕べ,タクシーに乗って,まったく違う方向へ連れて行かれた。

 みんなで乗っていても怖かった。

 ハルモニは,もっと若いときに,たった1人で連れて行かれた。

 どんなにこわい思いをしたかと思う。

 先生,オカアサン方(同行のみなさん),ありがとう。

 知らない政治や歴史を教えてくれて。

(H田さん)

 半年勉強してきた。

 WAMにも行って,それなりに知識はあるつもりだった。

 でも自分の目で見て,感ずるものはまったく違った。

 ハルモニの証言も,歴史館の内容も。

 夕食のあと,リビングへおじゃました。

 手をにぎってくれて「ドラマを見ていきなさい」といってくれた。

 手がすごく小さかった。

 こんな小さな人につらい思いをさせたのかと思うと本当にショックだった。

 日本で何が自分にできるかをしっかり考えたい。

 「水曜集会」では雰囲気にのまれそうになったが,ハルモニは毎週やっている。

 すごいと思う。

 大人のみなさん,ありがとうございました。

 お世話になりました。

(K谷さん)

 本ではたくさん学んできたが,「ナヌムの家」で感じることはとても大きかった。

 ハルモニは病院に通いながら,日本の政府とたたかっている。

 それをいままで知らなかったことをくやしく思った。

 「水曜集会」では発言の機会をもらった。

 発言のあとはたくさんの人に声をかけてもらった。

 とてもいい経験になったと思う。

 「タプコル公園」では鳥肌がたった。

 かつてここから独立の運動が起こり,それが日本軍によって弾圧されたかと思うと。

 その場に立つことは,とても勉強になる。

 すでに中学や高校の歴史の先生たちとのつながりがある。

 「9条の会」とのつながりもある。

 日本は変わっていけると思うし,あきらめないで取り組むことが大切だと思う。

(T中さん)

 4月にゼミがはじまってからの5ケ月は,ものすごく濃い時間だった。

 「慰安婦」という言葉も知らなかった。

 知っても,最初は同情だけだった。

 ハルモニの証言のはりつめた雰囲気にはとまどった。

 でも,食事の時など甘えてみると,手を握ってくれた。

 抱いてもくれて,胸がしめつけられる思いがした。

 この旅行を無駄にしたくない。

 若い力で社会をかえたいし,憲法を守っていきたい。

 大人のみなさん,オカアサンたちには甘えさせてもらった。

 ゼミ生のみんなにも,たよりない私をサポートしてくれたことに感謝します。

(K光さん)

 去年も参加したかったけれど,日程があわなかった。

 ハルモニの証言を聞いて泣いてしまった。

 私の祖母と顔も年も良く似ていた。

 祖母がそういう被害を受けてもおかしくなかったということだ。

 「ナヌムの家」で実感することの大切さを感じた。

 まわりにいろいろな意見があるけれど,自分は変わらない。

 その決意がかたまった。

 私は石川ゼミではない。

 みんなのように長く勉強してきたわけでもない。

 不安だったが,今回,いい仲間ができたと思う。

 今度くるときには,少しでも韓国語がわかるようになっていたい。

(U野さん)

 この夏,部活で台湾とアメリカに行った。

 どちらも「日本人ウエルカム」という雰囲気だった。

 この国にはそれがないように思えた。

 初日の夜にエステに行ったが,あまり会話もない。

 この人は私のことをどう思って,してくれているのだろうと思った。

 「ナヌムの家」へいくのは,すごく怖かった。

 WAMでも,ショックが大きくて,貧血で倒れてしまった。

 今回も,再現された「慰安所」や,たくさんのハルモニの顔のパネルに緊張した。

 すごくこわかった。

 「水曜集会」の朝,集会にいけないムン・ピルギさんと握手した。

 その時に,来てよかったと思った。

 ゼミでも,どうしてこんな勉強してるんだろうと思ったこともあった。

 でも,つづけてきて良かった。

 いま教職の免許をとっている。

 子どもたちに本当のことを教えられる教師になりたい。

(M木さん)

 つらく悲しい思いもした。

 ハルモニと一緒にゴハンを食べるなど,楽しい思い出もできた。

 「水曜集会」のあとや食事の時も楽しかった。

 日韓が仲良くしなければならない。

 ゼミ生ではないのに,最初から仲良くしてくれてうれしかった。

 楽しい旅になった。

 ありがとうございました。

(N瀬さん)

 「水曜集会」が一番印象的だった。

 証言の最中は,こわくてハルモニが直視でなきかった。

 「ナヌムの家」に来たことを後悔する気分もあった。

 でも集会の最後に,ハルモニがいってくれた。

 「大好きだよ」「これから仲良くしてくれたらいいから」と。

 その笑顔を裏切りたくないと思った。

 集会に私たち以外の日本人がたくさんいたことにも感動した。

 この旅行を支えてくださった大人のみなさん,ありがとうございました。

(T丸さん)

 ハルモニの証言と「水曜集会」が印象的だった。

 ショックだったのは,ハルモニがクニに帰れず,父の顔を忘れてしまったと言われたこと。

 通常の生活では,そんなことはありえない。

 集会でハルモニたちが叫んでいるのを聞いて,自分が追い込まれていく気分になった。

 その場にいるのが辛かった。

 でも発言の時に,前からハルモニの顔をみると,がんばらなきゃいけないと思えた。

 いろんな人の影響があって,韓国はコワイ国と思っていたところもあった。

 でも人はとても暖かい。

 「ナヌムの家」のまわりの景色は,日本のそれとまったくかわらない。

 ちゃんと知ることが大切だと思った。

(N田さん)

 じつは韓国へくるのがすごくこわかった。

 WAMでたくさんのことを知っていたから。

 歴史館の内容は,知識としては知っていることが多かった。

 しかし,「慰安所」の再現などはとてもショックだった。

 ハルモニが証言で人と人の絆を大切にしようといっていた。

 加害の国の人間にそう語りかけることはすごいことだと思う。

 「水曜集会」では発言させてもらった。

 発言の内容をバスの中ですごく考えた。

 みんなにもたくさん意見をもらった。

 みんなが一致団結しているというこの雰囲気が良くて,すごく好きだった。

 ハルモニには,とてもやさしくされてうれしかった。

 しっかり学びたいという目標は達成されたと思う。

 あとは学内外の報告会で,いろんな人につたえていきたい。

 日本では食べられなかったキムチも,こちらへ来て,少しだけ食べられるようになった。