以下は,9月14日韓国旅行最終日に,バスの中で話していただいた大人のみなさんの言葉です。

 文章は,石川が手元のメモで勝手にまとめました。

 文章責任は石川にあるものと思ってご覧ください。

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(U野さん)

 『「慰安婦」と出会った女子大生たち』を読んだ。

 今回の企画を知って,すぐに申し込みをした。

 「ナヌムの家」でどうすごせば良いか,半分不安ももっていた。

 ハルモニが市民どうしで仲良くすることを強調された。

 日本で9条をまもる取り組みをすすめることが,ハルモニの願いにも通ずる。

 そこが納得できて,気持ちが晴れた。

 ありがたい機会だった。

 学生とはあまり話をする機会がなかった。

 私は「母親運動」をやっている。

 50年前に核兵器廃絶の署名に取り組んだ女性たちに,最近話が聞けた。

 戦前の女たちには,なんの権利もなかった。

 子どもの親権さえなかった。

 戦後を男たちにまかせてはおけないという気持ちが強かったとのこと。

 若いみなさんも,男まかせでなく,自分たちで考えてほしい。

 こういう勉強の機会をあたえられて幸せだと思う。

(T内さん)

 「ナヌムの家」では,日本人であることをもっとしっかり考える必要があると思った。

 自分に何ができるかを考えたい。

 「水曜集会」で,自分たちが日本をかえていくと言い切ってくれたことに涙が出た。

 うれしかった。

 ソウルは大きくてキレイな町だが,一歩奥に入ると,鉄工所などがならぶ。

 大阪とかわらないオッチャン・オバチャンの顔がある。

 自分たちは韓国の人の流れの顔だと良くわかった。

 みなさんは,来年は就職活動だが,日本の社会は男社会。

 運動団体でもトップは男ばかり。

 女が最前線に立つのはむずかしい。

 しかし,そこを変えていく必要がある。

 自分が主人公,自分が変えられる,仲間がいればそれができると思う。

(K賀さん)

 はじめての韓国。

 自分ひとりでは来ることができなかった。

 「慰安婦」問題は,すごく昔から気になっていたもの。

 自分の中でも消化できず,直面するのが怖かった。

 卑怯な部分が自分にあった。

 「慰安婦」も「南京」もネットでは誹謗中傷が多い。

 マンガの中の「南京大虐殺」の場面が,単行本にする時には,消されてしまった。

 集英社。

 そのことについての市民の議論が盛り上がることもなかった。

 ウソも100回いえばホントウになる。

 実際に見たことを帰って伝えていきたい。

 若いときからホントウのことを教えてもらえるみなさんは,とてもうらやましい。

 日本を変える力になってほしい。

(M永さん)

 9月10日の事前学習会で,良く勉強してると関心した。

 すなおにキチンと学習すれば,こういう結論にたどりつくんだなと。

 ハルモニの話に涙を流しながら感想を述べていた。

 水曜集会の発言の内容を,夜遅くまで,自分たちだけで相談していた。

 そういう学生たちの姿に感動した。

 ハルモニたちは孫が来たようによろこんでいた。

 学習がアタマだけでなく,カラダとココロを通じて入っていっているように見えた。

 それが水曜集会での発言にもつながったと思う。

 胸に熱い思いがある。

 いまの日本は大変な方向に向かいつつある。

 「慰安婦」問題もいましっかり考える必要があると思った。

 これから過去の過ちを繰り返さないために。

 日本からもってきた本を,スタッフのM山さんに見せた。

 ハルモニの写真をみて「この方は亡くなった」「この方も亡くなった」と。

 この問題には残り時間がない。

 すでに水曜集会に参加できないハルモニもいる。

 M山さんという日本の青年は,明日への希望。

 京都の若い人たちもいて,他にもたくさん集会に。

 みなさんは,自分たちが呼びかける側に立つと語ってくれた。

 その姿をみて,未来は暗くないと思った。

 若い人を支える大人がいることもすばらしい。

 石川への質問。

 学生さんの取り組みにどうして一般の大人を誘ってくださるのか。

(F田さん)

 最初に謝罪。

 ビデオ,水曜集会のみ音が入らず,画面がブレてしまった。

 申し訳ない。ナレーションをいれて使っていただきたい。

 日本人男性として「ナヌムの家」に行くのは,針のムシロに座りにいくようなもの。

 しかし,行って感動した。

 慰安所の管理を兵站部が管理していた写真には驚いた。

 人間が「物資」として扱われていたということ。

 最初にハルモニにあったときには視線のキツさ,バリアを感じた。

 一緒に歌をうたったりして,最後の食事のときには握手もしてくれた。

 日本人の男性にも握手をしてくれるのだなと,うれしく思えた。

 9月10日にはじめてみなさんに会った時には,驚いた。

 一見何も考えていない,普通のお嬢さんたちがホントウに「ナヌムの家」にいくのかと。

 その外観と「水曜集会」での発言とのギャップの大きさに驚いた。

 力をいただいた。

 司法修習生など若い世代と接するときに,歴史問題を語ることに腰の引けるところがあった。

 現在の訴訟の話が中心になる。

 今回の旅行の成果として,どんな人に対しても訴えていきたいと思った。

 裁判官・検察官・弁護士たちに。

 そういうことができるんだと,学生たちをみて思った。

(Y田さん)

 スタディ・ツアーは今日が最終日。

 しかし,これは終わりではなく,むずかしいことがらのはじまりだと思う。

 何かをしたいという思いをどう実行に移すかという宿題。

 また,われわれ自身が体験していない事実をどう今後つたえていくかという問題も。

 さらに侵略の事実となぜ私が被害者にという個人の心情の区別とかかわりを整理する必要もある。

 「証言」の文脈と,リビングでの「雑談」の文脈。

 それぞれのポジションで,力に応じて考えてほしい。

 いつも接している本学の学生にこんな力があるのかと,あらためて驚かされた。

 あえて苦言を呈すなら,海外には相応の「危険」があることもある。

 そこへの適切な警戒心も,忘れずにもってほしい。

(Cさん)

 これから何を自分でするかを考えたい。

 今まで,知っていながら,知らぬそぶりをしていたところがある。

 今回,反省させられた。

 「ナヌムの家」を訪れる人の横のつながりをどうつくるか。

 日韓の市民のつながりをどうつくるか。

 自分にやれる最大限のことを,考えて実行していきたい。

 みなさんは,良く勉強している。

 問題に正面から向かいあおうとする気持ちをもっている人がたくさんいる。

 そのことに感動している。

 さらにまわりの人に輪をひろげる作業をしてほしい。

(F橋さん)

 はじめての海外アジア旅行が韓国となった。

 となりの国なのに知らないことがたくさんあると気付いた。

 「ナヌムの家」に行って,昔と今の歴史のつながりを身をもって感じた。

 その場に行ってみなければわからないことがある。

 でも,これは最初の一歩。

 『ハルモニからの宿題』という,みなさんの先輩たちの本のタイトルどおり。

 宿題は提出せねばならない。

 各人が考えるべきごとだと思う。

 みなさんについては,ホントに元気だなと思った。

 その素直さを,これからも正しくのばしていってほしいと思う。