グルリと方向転換。

 次は南に向かって,グングン走る。

 11時40分には「ひめゆり平和祈念資料館」に到着である。

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 みんなで時間をかけて学んでいく。

 沖縄地上戦の経過と様子,戦場での無数の悲惨が語られていく。

 野戦病院とされたガマの様子を,「ひめゆり」の生存者が直接解説してくださる。

 米軍によるたくさんのフィルムもあり,生き残った方たちのいくつもの証言ビデオもある。

 戦場には,音があり,気配があり,恐怖があり,怒声があり,臭いがある。

 死体にうごめくうじの音。

 腐っていく友人の死体。

 それらを語る証言の力は大きい。

 政治にかかわる何か強い主張があるわけではない。

 しかし,このときの戦争を肯定し,英霊を顕彰する靖国との対照性は鮮やかである。

 おしまいの展示場には,若くして死なねばならなかった少女たちの顔写真がならんでいる。

 それがWAM入り口の元「慰安婦」たちの老いた顔写真と重なって見える。

 熱心に見入る若い見学者の姿が多いことが印象的。

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 資料館の手前にある大きな慰霊碑。

 1時半には資料館を出る。

 近くのお土産屋さんでサーターアンダギーをパクリと食べる。

 あわせて沖縄戦の記録写真集も買ってみる。

 本土では,なかなか目にすることのないものである。

 最後は,クルマで空港へもどる。

 2時40分,3日目の昼食もまたそば屋となった。

 「中味そば」を見つけて,ただちに注文。

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 豚の内臓を細く切り,やわらかく煮込んだものがのっている。

 怪しい運転手の豪快運転により,4時前には那覇の空港にすばやく到着。

 1時間ほど喫茶店に入り,5時25分の離陸となった。

 機内「ハルモニの人」となり,バッテリー切れまで「原稿書きの人」となる。

 9時前には家にもどる。

 これにて,この夏の,はげしいあっちこっち旅行は全巻のおしまいである。