「慰安婦」への強制性を示す新資料が公表された。

 東京裁判に出された検察団が提出した尋問調書や陳述書などである。

 たとえばオハラ・セイダイ陸軍中尉は,「娼屋」に入ることを「強いられた」女性を,自らはっきりと認めている。

 かりに訪米したとしても,歴史教育議連には,下院議員のどんなまともな説得もできなかったということだ。

 慰安婦強制示す資料、教授が概要公表(朝日新聞,4月18日)

 日本軍慰安婦問題をめぐって林博史・関東学院大教授は17日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、東京裁判に出されたオランダや中国など検察団の証拠資料のうち、日本軍が占領地の女性を強制的に慰安婦にしたことを示す尋問調書の概要を公表した。

 林教授は「東京裁判でも慰安婦強制の事実は確認されている。90年代に資料研究が進み、慰安婦は性奴隷だと確信していたが、最近これを公然と否定する動きが安倍政権から出てきた。資料を示して再確認する必要を感じた」と説明した。

 「慰安婦」問題 強制性示す新資料 研究者ら公表 東京裁判で証拠採用(しんぶん赤旗,4月18日)

 旧日本軍が占領地の女性たちを強制的に「従軍慰安婦」にした事実を裏付ける東京裁判(一九四六―四八年)の関連資料が明らかになりました。関東学院大学の林博史教授、中央大学の吉見義明教授、バウネット・ジャパンの西野瑠美子共同代表が十七日、都内の外国特派員協会での会見で公表しました。

 資料は、オランダ、フランス、中国の検察団が東京裁判に提出した尋問調書や陳述書など七点。いずれも同裁判で証拠書類として採用されました。

 林教授が昨年、東京大学社会科学研究所の図書館に所蔵されていた資料から見つけました。

 オランダ提出の尋問調書では、ボルネオ島の日本海軍情報機関の軍属が、拘束した現地女性を平手で殴り服を脱がせ、三人の少女を裸で一時間、立たせたと証言。拘束の理由について「彼らを淫売(いんばい)屋に入れることができるための口実を設けるため、命令でなされた」と述べ、命令した守備隊司令の名をあげました。

 公表された資料は、インドネシア・ジャワ島やベトナム・ランソン、中国・桂林などで日本軍が現地女性らを強制的に慰安婦にしようとしたことを裏付けています。資料の一部は一九九七年に報道されています

 林教授は、これらの資料は「日本政府がサンフランシスコ平和条約で受け入れた東京裁判の証拠であり、日本政府も認めざるを得ないものだ」と指摘しました。

 吉見教授は、被害者への「おわびと反省」を述べた河野談話を否定する安倍晋三首相の態度について、「首相の人権感覚が問われる問題。河野談話からの後退は許されない」と批判しました。

 「従軍慰安婦」問題 日本軍の強制示す公文書 3点の大要(邦訳)(しんぶん赤旗,4月19日)

 林博史関東学院大学教授は十七日、外国特派員協会での記者会見で「従軍慰安婦」問題についての新資料七点を発表しました。一九四六?四八年の東京裁判でオランダ、フランス、中国の検察団が提出した尋問調書や陳述書などです。これらは、同裁判で検察陣を構成した各国の政府機関が作成し、裁判の証拠書類として採用された公文書です。「慰安婦」が日本軍によって強制的に連行され、性行為を強要されたことを示しています。

 これらの資料のうち、(1)インドネシア駐留オランダ陸軍大尉の報告(2)日本陸軍中尉の宣誓証言(3)「慰安婦」を強制された女性(オランダ人)の尋問調書―の三点の大要を紹介します。

 証拠書類は英文と邦訳文があり、ここで紹介するのは邦訳文です。カタカナはひらがなに、旧字体は新字体に直してあります。また適宜、改行してあります。