6月12日(火)は、7時40分起床の朝である。

 深夜2時にはミルクをやり、7時前にも起こされた。

 喘息新参との、いささかスリリングな朝である。

 エライ鼻水ではあるが、今朝は軽い咳き込み程度。

 ミキサーでバナナジュースをつくり、

 これに各種薬をまぜて飲ませていく。

 恐ろしいので、固形物は食べさせず、

 ミルクをやると、10時前には再び就寝。

 こちらもちょいとウトウトし、メールをカチコチチェックする。

 12時ちょうどには、相方実家より

 ありがたい支援の力がとどいてくる。

 入れ違いで、12時半には家を出る。

 コンビニから振り込みをひとつ、

 さらに郵便局から、振り込みをいくつか。

 今度こそ、振込忘れはなくなったはず。

 定食屋「かすが」に入り、

 天丼などという濃いものを昼から食べてみる。

 生協の利用開始のために、冷凍庫のうどんスペースが減っている。

 JR「加島」から「西宮」へ。

 車中「労働組合論の人」となっての移動である。

 企画広報室に顔を出し、教育開発センターへ、

 学長室へ、事務室へ、教務課へ。

 コマネズミのごとく、クルクル動き、簡単仕事を処理していく。

 3時から「比較経済論-元高圧力に屈しない中国」をやっていく。

 研究室にもどり、神戸講座の追加資料を1枚作成。

 資本主義は労働者間競争を不可避とする。

 その競争を団結に置き換えていくことが、

 労働組合の役割なのだとマルクスは語る。

 5時すぎには大学を脱出。

 JR「西宮」から「神戸」へ。

 車中「資料予習の人」となりつつ移動する。

 6時前、JR「神戸」地下街喫茶店で予習を継続。

 その後、神戸市婦人会館に到着である。

 6時30分には、兵庫県学習協主催の「夏期集中講座」となる。

 第3講義のテーマは「『格差社会』における連帯とマルクス」。

 競争を団結におきかえるには、

 男性と女性、正規と非正規、熟練と不熟練など、

 階層を違える労働者たちの団結が、

 自らの利害にどうつながっているかの理解が欠かせない。

 総労働者の全体構図を、財界との関係の中に示す努力が肝心であり、

 それをまとめて学ぶ取り組みが必要である。

 9時ちょうどには、会場を出る。

 講義の最終版になんどもケータイが振動していた。

 喘息新参の一大事かと、ただちに留守電を確認するが、

 中身は知らないジイチャンの声。

 「な~んか~ ワシに~電話~くれたか~?」。

 どこかの寂しいジイチャンらしい。

 「ワシは~かけとら~んで~」と、心の中で応えてみる。

 JR「神戸」から「芦屋」へ、「尼崎」へ、「加島」へ。

 車中「論文格差の人」となって移動する。

 今日のしゃべりでの思いつきを、

 次の論文のために書き残していく。

 10時前には、家にもどる。

 山芋を焼いて、遅い夕食をとり、

 ビールでピーナッツもポリポリやってみる。

 昨日「仕事をへらす」と宣言したが、

 その途端に、講演要旨を書け、ゲラをなおせ、

 講演に来いと、仕事がまとまってやってくる。

 すでに引き受けてしまったところはどうにもならないが、

 新規の仕事は、しっかりへらしていくのである。