椎名誠『たき火をかこんだがらがらどん』(小学館、2007年)を読み終える。

 いいねえ、この人のアホバカ人生、旅行、エッセイものは。

 寝る前に布団で読むと、本当に気分がラクになる。

 そして、なんだか嬉しくなる。

 加えて、今回は、こんなスルドイ観察もあった。

 「生活は貧しいが日々の暮らしぶりが生き生きとしている人々、

  というのが世界の途上国でみる大多数の普通の人々の顔である」。

 「例えば世界でもっとも富める国といわれているアメリカの人々は

  富める国に住んでいるのだから幸せか、

  というと近年どうもとてもそうは見えない」。

 「国力と、そこに住む人々の人間としての生き甲斐の充足度、

  というのは比例しないのだな、

  というのがこの頃の実感である」。

 悲しいことだが、日本も、まったく同じだろう。

 「国力」と「人間としての生き甲斐」の分裂。

 「国力」を、互いにわけあう社会の仕組みの問題だろう。