靖国派による教育行政の乗っ取り策動とも見られた「教育再生会議」だが、その存在さえもが危うくなりつつある。
少なくとも、靖国派の価値観を「教科」として教える動きは、お流れになってくれたらしい。
これもまた、靖国色が強くなることへの内外様々な圧力の結果である。
とりあえずは結構なことだ。
中教審部会 徳育の教科化見送り 再生会議提唱に反論相次ぐ(しんぶん赤旗、10月16日)
中央教育審議会(文科相の諮問機関)は十五日、道徳教育のあり方を議論する専門部会(主査=本田和子前お茶の水女子大学長)を開き、教育再生会議が提唱した「徳育の教科化」の決定を見送り、部会の議論を締めくくりました。改悪教育基本法のもと、すべての子どもに「規範意識」を持たせるためとして徳育の教科化を狙ってきた安倍「教育再生」路線の事実上の破たんです。
部会では「道徳教育の充実を掛け声倒れに終わらせないため、教科化を一つの有力な選択肢とすべきだ」との意見も出されましたが、「良心の自由との関連などハードルも多く、決めるのは拙速だ」「教科にすれば重視されるというのは安易だ」など反論も相次ぎました。本田主査が議論を引き取り、教科化については「一つの選択肢」と指摘するにとどめて部会での議論をまとめる考えを示しました。
今後は教育課程部会に議論が移り、十年ぶりとなる学習指導要領の改訂案づくりが進められます。道徳を新たな教科とするには時間が不足しており、教科化が見送りとなることはほぼ確実です。