久保文明編『アメリカ外交の諸潮流』(日本国際問題研究所、2007年)を読み終える。

 副題は「リベラルから保守」まで。

 9.11以後の内外の政治環境を背景に、8つの外交潮流が分析される。

 なるほど、いろいろなグループがあるようである。

 パウエル、アーミテージはキッシンジャーの流れに近く、ブッシュ政権内部のネオコンと新保守主義には区別が必要等、あれこれを基礎から教えてもらえる。

 同時に、これら8つがたった2つの政党に含みこまれる点に、それらの相違がそれほど大きくないことも表れている。

 アメリカが「唯一超大国」であった瞬間は、あっけなく過去のものとなりつつあるが、その現実がこれら諸潮流の全体に、大きな発想の転換を求めていくことになるのだろう。