茂木健一郎・甲野善紀『響きあう脳と身体』(バジリコ、2008年)を読み終える。

 面白くないわけがない、

 という顔ぶれの対談である。

 わかること/わからないことの区分けを、

 自分の中にしっかりもつ。

 アタマが余計なことを考えなければ、

 カラダはもっとも効率的に動く。

 自分に制約をかけない、

 自分なりの「過剰さ」をこそ成長させる。

 分野横断的に現実世界をかけめぐる、

 そういうメンタリティが求められる。

 その場で考えたことを口にだし、

 それを誰より自分自身が注意深く聞く。

 資本主義の利益第一主義への邁進が、

 身体の可能性を衰えさせた。

 部分の鍛練にとどまらず、

 知もまた全体をトータルに、同時並列的に動かしていく。

 いずれも、励まされる言葉であり、考えさせられる言葉である。

 工場ラインのように

 人間の品質管理をすることのナンセンス、

 教育現場にあるのは、

 人が人に「感化」されるということ、

 こういうことが「できる人間がいる」という可能性にふれること。

 先日の大学教授会研修会の内容に、

 ピタリと重なる内容もある。