2月8日、5時すぎには会場を出る。
JR「元町」から「加島」へ、
車中「講演パワポ作成の人」となって移動する。
5時40分の帰宅であった。
相方と新参は、すでに実家にもどっている。
「NHKスペシャル 緊急報告 製造業派遣は何をもたらしたか」を見る。
2月7日放映分の録画である。
自動車部品メーカー「エフ・シー・シー」の社長は
派遣労働者を「ありがたい」「便利」「調整弁」と語り、
「契約止めは当然ある」「企業が悪いんじゃない、国が整備した」
と語っていく。
だが国にその「便利」さを求めたのは、
経団連(当時)などの財界と大企業自身だったではないか。
他方で、番組は、経営者に対する独自アンケートの結果に注目する。
「労働者派遣の禁止」への賛否だが、
反対44%、賛成11%の他、
どちらともいえないが41%もある。
そこには、人件費抑制の「便利」さの対局として、
次の2つの弊害を指摘する声がふくまれた。
1つは、ものづくり力の低下であり、
2つは、人をもののように扱ってよいのかという問題である。
企業経営者たちにあっても、
こうした弊害に注目せずにおれない人が
「反対」とほぼ同数に達している。
番組は、これらの弊害を
はっきりと「派遣労働というはたらき方がもたらす弊害」だとする。
さらに「製造業派遣は社会をゆるがす危うさをもっている」。
「国も企業もいざという時への備えを真剣に考えてこなかった」。
「製造業派遣をふたたび禁止すべきかどうか」
「明らかになった負の側面にどう向き合うかが問われている」。
「製造業派遣労働者46万人」とも。
もう1つ、別の角度から注目したいのが
年越し派遣村に集まった労働者たちの
生活保護申請を受け入れた千代田区職員の声である。
現状は「従来のセーフティネットが想定しなかった事態」であり、
そのひずみのすべてを福祉事務所にもってこられても
対応できない、と。
まったくそのとおりだと思う。
日本社会には、そんな「事態」を生み出す要因はなかったのである。
それをつくりだした2003年(製造業派遣自由化)、
さらに1999年(製造業以外への原則自由化)の以前に、
雇用制度はもどすべきである。
派遣労働者の年収を
ワーキングプアの基準とされる200万として、
10万人の雇用に必要な費用は2000億円である。
100万人を雇用しても2兆円。
それに対して、資本金10億円以上企業の内部留保は
2007年で228兆円、06年で218兆円となっている。
その2兆円を取り崩すことができないというのは、
決して経済の論理などではない。
それは人でなしの論理である。