冨田幸光他『大恐竜展』(読売新聞大阪本社企画事業部、2010年)を読み終える。

 大阪市立自然史博物館の特別展示「大恐竜展」の図録である。

 大陸というものは、19億年ほど前から、

 およそ3億年の周期で、集合離散を繰り返しているらしい。

 その最後の集合がもたらしたのが、

 2億6000万年前から1億7000万年前

 までの超大陸パンゲア。

 その後、これが北部のローラシア大陸と

 南部のゴンドワナ大陸に大きく分裂し、

 さらに今日の6大大陸にわかれていく。

 恐竜の発生が2億2000万年前のことであるから、

 パンゲアの離散以後には、恐竜の進化にも、

 それぞれの地域の固有性が強くなっていく。

 (ことはそう単純ではないらしいが)。

 これまでの恐竜進化史は、

 主に北部からの化石によるものらしく、

 今回の展示は、南部の化石に焦点を

 あてたところに特徴があるとのこと。

 展示と図録の副題は「知られざる南半球の支配者」である。

 ついでに紹介しておけば、今もグイグイつづく大陸移動は、

 5000万年後にはオーストラリアを日本列島に接近・衝突させ、

 2億5000万年後には、

 アジアを中心とした新たな超大陸(南極をのぞく)を

 形成させる見通しだという。

 まったくもって、自然のスケールというのはデカイのである。