4月25日、午後6時すぎ、

野沢温泉「旅館さかや」に連絡を取る。

毎年、ゴクラクスキーでお世話になってきた旅館である。

--「地震の被害は大丈夫ですか」(長野県北部地震は3月12日)。

「建物の被害は、外壁の一部がくずれた程度で、たいしたことがなかったんですが、あの日は停電が起こりましてね」「暖房が効かなくなってしまったので、お客さんにはロビーに布団をもって降りてもらい、朝食もバイキングのようにしてそこでとってもらいました」。

「クルマのお客さんは12日にすぐに帰られましたが、電車がとまってしまったので、電車のお客さんにはバスに乗ってもらって、長野から少しずつ走り始めた新幹線に乗っていただいた方が多かったですね」。

--「スキー場にはかなりダメージがあったようですが」。

「そうですね。報道があったとおりです」「それでも、例年どおりとはいかないまでも、ゴールデンウィークには間に合うように復旧はすすんでいます」「なんとかしようとがんばってるようです」。

--「ええ、スキー場からそういうメールが届いていました」。

「ああ、そうでしたか」。

「じつは野沢温泉村の被害はたいしたことはなかったのですが、お隣の栄村が大変なんです」「崩れなかった家屋にも、『危険だ』という意味の赤いシールが貼られているところがたくさんあって」「うちの従業員にも栄村からきている人がいるものですから・・・」。

--「先のことで申しわけありませんが、来年もまたいかせていただきますので」。

「はい、ぜひどうぞ」。

--「大学その他で、いろんな形で復興支援の取り組みはしていますので、がんばってください」。

「はい、わざわざありがとうございます」。

概ね、以上のような話であった。

途中、忘れてきた新参のクツについても、「お手数ですが」とお願いをする。

野沢温泉村のお隣となる栄村は震度6であった。

「東日本」の被災諸地域とならんで、同時に生まれたこれらの地域にも、厚い救援と復興の手が同じく差し伸べられなければ。

以下は、ようやく公表となる「2011ゴクラキストのムカデスキー」。

2011年3月11日、午前10時半すぎの滑りであった。