110724・医労連・ベランダ・復興本 (4)

「10年後、20年後の近い未来に、2011年3月11日は、

歴史のどういう瞬間としてとらえ返されるのでしょう。

たいへんな犠牲を生んだ地震、津波と原発災害の後、

日本社会の全体が『人間の復興』と

安全・安心の社会づくりに向けて

大きな努力を開始した年としてなのか、

あるいはたいへんな犠牲にもかかわらず、

復興にも原発にも、その後の国づくりにも、

さらに強く野放図な『資本の論理』が

吹き荒れることになった最初の年としてなのか。

2011年に生きる私たちは、

その重大な分岐点に生きていると思います。

兵庫県では『復興はたたかいだ』という言葉が、

いまも強い実感をもって語られています。

『たたかい』の相手は『資本の論理』です。

それは行政の中にも深く浸透してくるものです。

この本では『人間の復興』と

その『資本の論理』の衝突に焦点をあてました。

『人間の復興』を勝ち取るためには、

多くの市民が『資本の論理』を押し返し、

制御する力をもたねばならないことを、

しっかり自覚してほしいと願ってのことです。」

(「はじめに」より)