月刊誌『経済』の5月号を読んだ。
「大特集 マルクスの経済学のすすめ」は16年ぶりとのことである。
若い世代への「すすめ」とともに、若い世代自身が様々にマルクスの「学び」を語っていることも特徴的。
なかでも、時代の反映を強く印象づけられたのは、「今、僕たちは『蟹工船』の中にいる」という3人の「若者が読んだ小林多喜二」のページ。
「いま私たちに必要なことは、生きるか死ぬかのたたかいを起こすことです」。
「労働者のたたかいは、何度鎮められようと、何度も、何度も、成功するまで、立ち上がらなければならない」。
「仕事を辞めるのは簡単だ。死ぬのも簡単だ。しかし、諦めない努力、生き続ける勇気を持ちたい」。
いま20代の2人に1人、世代を問わず全労働者の3人に1人が非正規雇用に追い込まれている。
平均賃金は正規雇用者の6割にすぎず、「使い捨て」と位置づけられる労働条件はきわめて劣悪である。
それに味をしめた日本の財界は、さらに「労働ビッグバン」の第2段階をねらっている。
今度は、すべての正規雇用者の労働条件引下げが目標である。
ホワイトカラー・エグゼンプションも「名ばかり管理職」も、その入口に位置づけられたもの。
いま、日本の労働者たちに必要なことを、「生きるか死ぬかのたたかい」と表すことは、まったく正しいことだと思う。
学ぶことはもちろん必要なのだが、同時に、闘うことが必要である。
そのことを、特集の中で、若い世代が語っているところが頼もしい。
ベテラン世代も、決して惰性に流されることがあってはならない。