小池真理子様『東京アクアリウム』(中央公論新社、2010年)を読み終える。

 今回は8本の短編集。

 時間の積み重ねのなせるわざなのだろうか、

 思わぬ出来事が起こる作品世界の中にも、

 静けさとか、落ち着きとか、穏やかさとか、

 そんな要素がふえているように思う。

 すでに15年の継続読者である。

 つらい時期に耐え、それを抜け出そうとするとき、

 自分を支えるひとつの足場になってくれた記憶がある。

 それ以後、出れば、読まずにおれなくなっている。

 もちろん、毎日の「日経夕刊」も読んでいる。