茂木健一郎『やわらか脳』(徳間書店、2006年)を読み終える。

 こちらは、本当に「やわらか」エッセイ。

 音楽、文学、脳、虫、旅、国家、八百屋、

 コメディ、エイプリル・フールと、話題は実に豊富である。

 コイズミ、靖国、ブッシュなど、社会ネタも読みやすい。

 「イデオロギーがダメだった根本的な理由は、

 それが記号から自動人形へ至るダイナミクスを促すから」。

 靖国型の国家主義にかかわって出た言葉だが、

 「自動」を拒否する自立した個人の必要は

 「イデオロギー」の内容そのものに直結しない。

 現代では、いつ、どこでも、個人の成熟こそが肝心である。