旅行5日目の2月22日は,新参小康の朝となる。

 10時半には,いつもの朝食バイキングに出かけていく。

 階段を降りるために,新参の乗ったベビーカーをもちあげようとすると,

 横から白人さんが手伝ってくれる。

 「ボクにも小さな子どもが2人いるから」とのことであった。

 新参はおなかがゆるいままである。

 今日は,唯一,最初から外出の計画があった日なのだが,

 相方だけの外出とし,新参父子はホテルでゆっくりすることとする。

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 上は,ベッドの上で,ワルモノと寝業の練習にはげむ新参。

 3時には,新参をスリングで抱き,

 いつもの家族コンビニにビンタンビールを買いに行く。

 砂浜なども歩いてみるが,

 新参は日除けの帽子を,どうしても自力ではぎとってしまう。

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 ホテルのあちこちにある,各種の神様にもあいさつを重ねていく。

 5時30分には,相方が予定を切り上げてもどってくる。

 入れ代わりに,こちらが外に出て,

 3日目に新規開拓した店で地元メシをテイクアウト。

 驚いたことに,入れ物は発泡スチロール,

 そして,中にはプラスチックのレンゲがあった。

 地元庶民メシ屋界にも,何か大きな変化が起こっているらしい。

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 以下,外出時に,相方がガイドさんから聞いてきた話である。

 いずれも「なるほど,そうなのか」という話ばかり。

 ガイドさんは,バリの人だが,奥さんは日本人。

 ご本人も日本留学の経験がある,30代とおぼしき男性である。

 ①バリの就職の98%程度は観光がらみとなっている。

 ②求人が多いので,インドネシア全島から人が集まっている。

 ③その結果,いまや住民の10%がイスラム教徒になっている。

  この島は本来100%がヒンドゥーだったが。

 ④島は急速な富裕化過程にあり,クルマやバイクの買い換えが進んでいる。

 ⑤インドネシア全土で夫婦共働きが基本である。

  外から仕事を求めてくる人が,

  それらの人の家事を支える役割を果たしている。

 ⑥だから,インドネシアには保育所がない。

  最近,はじめてジャカルタにできたと聞いた。

 ⑦財産相続は男子単独相続制。

  次男,三男は結婚しても長男夫婦と同居する。

  しかし,家庭内の権限はまったくない。

 ⑧日本人は忙しすぎて,ものが考えられなくなっている。

  政治の動きを見ても,そう思う。

  ものを考えるためには,絶対に遊びが必要なのに。

 ⑨バリでは「豊かさ」という言葉は100%精神的な意味である。

  具体的には人間関係などが中身となる。

 ⑩富裕化の背後で,大問題となっているのはゴミ問題。

  持ち込まれるゴミを処理する施設がない。

  自分の子ども時代には,

  食事のテイクアウトはバナナの葉っぱにつつむものだった。

 ⑪英語のガイドを雇うのは,オーストラリア人ばかりではない。

  ヨーロッパ人,アメリカ人と,いずれも数は同じくらい。

 ⑫バリの高校進学率は80~90%。

  日本と同じ6・3・3・4制で,バリには国立大学もある。

  観光関係の仕事につくなら大学に行く必要はない。

  大学に進んだ者はバリを出て,医師や教師なとの専門職につく。

 ⑬物価は非常に急速にあがっており,

  日本より高く売られている電化製品もある。

 ⑭この20年ほどにバリは急速な変化を遂げてきた。

  その速度は驚くべきもので,かかった時間は「一瞬」に思える。