ケンジ・ステファン・スズキ『なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか どうして、日本では人が大切にされるシステムをつくれないのか』(合同出版、2008年)を読み終える。

 おそろしく長いタイトルの本である。

 国民の85%がキリスト教徒であるこの国は、「デンマーク国立国教会」が国教だそうだ。

 隣人愛を語るその信仰が、日常の生活に浸透している。

 教会など募金や、リサイクルショップの売り上げを貧困者支援に活用すること、さらにはEU平均の2倍に達する人道的なODA。

 他方で「職種別」組合の組織率は80%に達している。

 このキリスト教と確固とした自律精神にもとづく民主主義が、この国の人々の特徴だと著者はいう。

 これとは異なるどのような筋道をとおって、日本に「幸福な国つくる」主体を強めることができるだろう。