椎名誠『すすれ! 麺の甲子園』(新潮社、2008年)を読み終える。

 シ~ナをふくむ数人の麺好きスタッフが、全国各地の麺類(やや定義は広いが)を食い歩き、勝手にその全国一を決定していくお話である。

 ある人から見れば、まったくどうでもいいことだろうが、そんなアホなことに熱中できる人間たちはすばらしい。

 全国17ブロック460麺から、24麺が選抜され、晴れの「甲子園」に出場する。

 「いまは憲法9条も守らねなければならないが酒田のワンタンメンも守らなければならない重要な時に来ているのです」。

 このようにあえて社会ネタもまじえてシ~ナが勝利を主張したワンタンメンは、オッサンたちの多数決で、あっけなく1対6の完敗を見る。

 結局、優勝は福岡。

 準優勝は香川。

 そしてなんと3位に東京のある店のざるそばと、群馬のシラタキ・糸コンが入ってきた。このあたりに麺の定義の広さがある。

 それにしても東京のそばをうまいと思った記憶はない。

 浅草周辺での再チャレンジが必要なようである。