離米・反米の動きが急速な中南米だが,ニカラグアのオルテガ大統領が,キューバ,ベネズエラ,ボリビアで構成する「ボリバル代替統合構想」に加わることを表明した。

 文中の「ボリバル代替統合構想」については,外務省のサイトに次の文章がある。

 「米国が中心となり推進している米州自由貿易地域(FTAA)創設については、チャベス大統領は米国主導のFTAAに異議を唱える一方で、南米主導のボリーバル代替統合構想(ALBA)を提唱し、同地域における経済統合と共に政治、社会、文化的分野を含む統合の重要性を主張している。」

 また「Emerging Revolution in the South」の「米州ボリバル代替構想(ALBA)の定義」によれば,以下12項目が,2004年12月14日にキューバ・ベネズエラ間で調印された,ALBAを目指す共同宣言の基本となる。

 2006年4月29日には,ハバナでボリビアが宣言に付属的に合意するが,それも下記のALBAの原則と主な基盤を提示したものとも。

 ニカラグアでオルテガ大統領就任、反米同盟に加盟表明(1月11日,読売新聞)

 「【リオデジャネイロ=中島慎一郎】中米ニカラグアで10日、左派・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)のダニエル・オルテガ氏(61)が大統領に就任した。約17年ぶりの返り咲き。任期は5年。

 オルテガ氏は同日、首都マナグアでの就任演説で、米国が主導してきた新自由主義経済政策を批判し、キューバ、ベネズエラ、ボリビアで構成する反米同盟「ボリバル代替統合構想(ALBA)」に加盟する意向を表明。「ニカラグア国民が威厳を持って生きるための新たな道を開く挑戦」と主張した

 オルテガ氏は、冷戦下の1980年代に反米革命政権を率いた。反米色を強めるベネズエラのチャベス大統領やキューバのカストロ国家評議会議長と親交が深い。

 選挙戦では、貧困対策重視を訴える一方で、極端な左派路線は取らない意向を示し、対米関係改善を強調。8日にはブッシュ米大統領と電話会談し、友好関係を維持してゆくことで一致していた

 就任式では、10日に3期目の就任式を行ったチャベス大統領やボリビアのモラレス大統領ら南米左派政権の首脳が顔を揃えた。また、外交関係がある台湾の陳水扁総統も列席した。」